理想を現実に近付けるパパママハウスの提案とは【三州瓦で住まいを建てるvol.4】
G様邸④ デザインも機能性も諦めない提案と、建築業界にとっての瓦とは。
三州瓦を使用して新居を建てることを決めたG様邸に密着し、竣工までの様子を不定期でご紹介する本連載。
施主のG様(右)とパートナーのM様(左)へインタビューを行い、
これまでの3回では、新居を建てることになった経緯から外装・内装のこだわり、
パパママハウスに決めた理由などをお伺いしました。
今回は、パパママハウスがおふたりの理想を叶えるために、どのような提案をしているのかをご紹介します。
「大好きな暮らしを」という理念を持つパパママハウス。
もちろんその想いは、人一倍のこだわりが込められたG様邸にもあてはまります。
M様から「やりたいことがすべて詰まった家」とお墨付きを得る新居ですが、その要となるのがヒアリング。
G様の担当を務めるKさんは「雑談などの延長線上でどのような家にしたいかお聞きしています。
お客様にとっては初めての場所、初めて会うスタッフの中で打ち合わせをしなければいけない。
そんな環境のなかで、できるだけその方らしく自然体でいられるように、
話しやすい雰囲気づくりを心掛けています。本音を話せるように打ち解けてもらって、
お客様の思っていることを引き出していきます」
G様邸の空間デザインを指揮するインテリアコーディネーターのYさんは
「G様邸の場合、おふたりが具体的な理想像を示してくれます
。私たちはバランスを調整しながら色や素材について提案し、理想を現実に落とし込んでいきます」と語ります。
特にこだわりが表れているのは「エコ」を意識した点。
ロハスな生き方に関心の高いおふたりは、新居も環境や身体に優しい素材を取り入れています。
床材に採用された「屋久島地杉」は、本土の杉の約1.2倍もの強度を持ち、高い耐久性・耐候性を誇る建材。
また、防蟻・防ダニ、抗菌・消臭、調湿といった日常生活を送るうえで嬉しい効果も確認されており、
香気成分には心身をリラックスさせる効果があるそう。
珪藻土の塗り壁も消臭効果を期待でき、調湿性・耐火性・断熱性に優れます。
それぞれ様々な建材のなかから、健康に良く、自然の風合いを感じられるものを提案し、決定していきました。
屋根についても、北側は屋根を垂らして趣ある見映えを形作り、道路に面していないため外から見えない南側には太陽光を設置。
美意識と機能性を叶えるものになりました。
ただ、屋根材については、瓦に決定するまでに紆余曲折があったそう。
「最終的にはヨーロッパ風で着地しましたが、最初はアメリカンなテイストを想定されていました。
M様はデザインを重視されていたので、何度も話し合いを経て理想像をすり合わせ、
それに合わせた屋根材を提案しました。ガルバやスレートも提案したなか、
エスパニカのブレンデッドグリーンがお気に召したようです」
瓦についてKさんは
「経年劣化しないことは大きなメリットだと思います。
メンテナンスをせずに新築時から変わらない外観を保てるのは魅力的」と語ります。
また、瓦屋根の需要が減ってきていることについては
「地震や台風などで瓦が落ちるという世間のイメージがあるため、
建築業界側があまり使っていないのかもしれないですね。
新しいガイドラインに沿って施工された瓦屋根ならば問題ないため、作り手のイメージを変えていくことが大事だと思います」。
一方、瓦屋根の古民家にお住いのYさんは
「木軸がしっかりしていれば瓦が落ちることはありません。2階にいても暑くないので良いですよ」と、
ご自身の経験についてもお話してくれました。
今後は竣工に向けて実際に家を建てる段階が進んでいきます。
「デザインはもちろん大事ですが、家そのものに不具合があっては意味がありません。
不具合のないきちんとした施工を行っていきます」と力強く語るYさん。
次回はいよいよ工事がスタート。施工の様子をお伝えします。