philosophy三州瓦の歴史と想い

三州瓦の
歴史と想い

日本で瓦が造られるようになったのは、
西暦588年ごろのことと伝えられています。
1400年前のこのとき法興寺に使用された瓦は
元興寺に転用されて、昭和30年代まで
170枚も使いつづけられていたと、
記録に残されています。
そして、現在もその一部は
実際に屋根に葺かれています。
大昔から日本では丈夫な瓦を製造していたのです。

技術の発達とともに量産化され、
多くの家を守ってきた瓦ですが、運搬が難しく、
昔は利用地の近くで焼かれるのが普通でした。
ですが、しだいに地元の窯だけでは
まかなえないほど多くの需要が出始め、
別の地域に瓦を供給することが産業として
成り立つようになります。

各地の城下町などで都市化が進み、
一般の住居などにも瓦が使われるようになった
1700年代ごろ、三州の瓦の産地としての
歴史が始まりました。
瓦に適した良質な粘土が浅い地層で
大量に掘れたこと、良港にも恵まれ船便による
輸送ができたことで一気に瓦産業が広がります。
明治時代初期には生産量が日本一では
なかった三州瓦ですが、
さまざまな努力とチャレンジの積み上げにより、
丈夫で美しく持ちの良い瓦として、
三州瓦ブランドを作り上げてきました。
時代が進むにつれて機械化が進み、
製造効率が向上。三州瓦のトンネル窯の工場は
現在、ほとんどが完全オートメーションと
なっています。

クオリティの高い製品をつくるのはもちろん、
屋根施工業者が多い三州では、
伝統的な屋根葺きの技術を若い世代、
あるいは他地方の屋根技工士志望者に
伝えていくために、愛知県瓦協会で
「愛知県瓦高等職業訓練校」を運営し、
OJTと並行して実技や学科を
学べるようにしています。
さらに、規格外品となった瓦を
リサイクルするなど、
日本を代表するブランドとして
業界全体で環境対策に取り組んでいます。
三州ではこれからも、より多くの人の家を守り
人々の暮らしに寄り添う瓦づくりを
していきます。

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