創業100年の誇りと、伝統の味をこれからも
十一八(うなぎ)
かつては「衣ヶ浦」と呼ばれ、瓦をはじめ様々な物資を運ぶ海上交通の拠点として、三州瓦の発展を支えた衣浦港。3つの市にまたがった大きな港の東側に位置する碧南市に、100年以上も前から暖簾を掲げる「十一八(じゅういちや)」。現在は四代目のご店主を中心に営まれる、老舗のうなぎ専門店です。
うなぎは碧南からほど近い愛知・三河一色産を生きたまま仕入れ、熟練の手つきでさばいて串打ち。注文を受けてから、国産の備長炭で焼き上げます。炭の強い火力でほど良く脂が落ちることで、外側はカリッ、内側はふわふわに。「備長炭で焼くのには技術が必要です。誰でもできるわけではありません」と、ご店主は話します。
秘伝のタレは、たまり醤油と地元・碧南で江戸時代から続く「九重みりん」などをブレンド。幾度となく継ぎ足し、うなぎの脂も加わってうま味を増したタレの味には、店の歴史が詰まっています。
数あるメニューの中でもおすすめは、「ひつまぶし」(肝吸い付き3400円)。まずはそのまま味わったら、三つ葉やネギ、わさびなどの薬味をのせたり、だしをかけたりと、何通りもの食べ方が楽しめます。並うなぎ丼または並まぶし重に、三河湾で揚がった鮮魚の刺身がついた「十一八定食」も人気です。
「お客様は地元の常連さんが中心ですが、お忍びで来てくださる芸能人の方も。みなさんにおいしいと言っていただけることがやりがいです。スタミナをつけたい時は、やはりうなぎ。これからも幅広い年代の方々に食べていただきたいですね」と、店主。伝統の味は、これからも受け継がれていきます。