築100年の古民家でおもてなし。心も体も喜ぶベーグル。
わっぱ堂(ベーグル)
神社仏閣に守られるように、穏やかな時間が流れる碧南市の大浜地区。オーナーの杉浦さんは、「生まれ育った故郷を大切にし、笑顔と縁がつながる場所をつくりたい」とベーグルのお店をオープンしました。
目印は、重厚感のある瓦屋根と玄関上に掲げられた手書きの看板。明治時代に建てられた古民家をリノベーションした店内は、時を刻んだ建物ならではの温もりと趣深さに包まれた安らぎの空間です。
杉浦さんが好物のベーグルを独学で作り始め、友人たちに振る舞っていたことが開店のきっかけに。
一般的には、しっかりと硬い食感で噛み疲れしてしまうというイメージを抱かれがちなベーグルを、小さい子どもから年配の方まで無理なくおいしく食べられるようにと試行錯誤。体にやさしく、安心して食べられるようにと国産小麦100%にこだわり、数百回のレシピの改良を重ねた末、外はカリッと、中はふんわりもっちり食感のベーグルが完成しました。
毎日約20種類の焼きたてベーグルが並ぶ中で、一番の人気商品は「ちょこまみれ」(324円)です。生地自体にチョコレートを練りこみ、さらにチョコチップもたくさん散りばめて巻き込んでいます。
ベーグルの中に野菜をたっぷり挟んだサンドイッチは、思わず写真に撮りたくなる断面美に食指が動きます。地元の野菜や知人の農家から直接仕入れる有機野菜などを用い、野菜のラインナップや時期に合わせて考案する6〜7種類のサンドイッチが、毎日棚を彩ります。
ガパオミート、パクチー、パプリカ、クミン風ニンジンラペをサンドした「ガパオとパクチー」をはじめ、「タコス」や「プルコギ」などインパクトのあるエスニックなメニューもラインナップ。
夏は「もろこしベーグル」、「ベーコントマトバジル」、「白桃カスタード」。秋には「くり」や「安納芋」、「かぼちゃ」がお目見え予定。旬の移ろいを伝えてくれる季節限定のメニューも要チェックです。
店名の「わっぱ」は、ベーグルの形に着想を得た言葉。「円」という響きから、「ご縁があるように」という願いも込めて、命名したそう。店内の棚には、ベーグル以外にも作家による陶芸作品や、スタッフ手作りのアクセサリー、ポーチなど作り手の心が伝わるクラフト作品がずらり。
「このお店を通じて、お客さまとスタッフ、お客さま同士など様々なつながりが生まれてくれたら…と雑貨類も取り扱っています」。そう話す杉浦さんの笑顔と料理に、心も体も満たされていくようです。