防災産業展2026で三州瓦の防災性を発信しました
防災産業展2026
2026年1月28日(水)~30日(金)に東京ビッグサイトで開催された、
瓦という伝統的な建材の防災性について浸透を図るべく「防災産業展2026」へ出展しました。
今回は展示会の様子をご紹介します。

防災・減災に関わる製品や技術が一堂に会する「防災産業展」は、防災に特化した専門展示会です。
災害に備えるための「これから」を考える実践的な展示会で、
自治体関係者や企業担当者のみならず、一般来場者も多く訪れています。
会期中、ブースには途切れることなく来場者が訪れ、
学生からシニア世代まで幅広い層が足を止め、熱心に耳を傾けていただきました。

ブース背面には、大きなタペストリーを設置しました。
「地震で瓦は崩れない」
力強いコピーと、瓦に使用している三河の土を写した印象的なビジュアルを大きく使用しています。
遠くからでも目を引くデザインは、多くの来場者の視線を集め、自然と足を止めるきっかけになっていました。

さらに、瓦と建築基準法の変遷をまとめた年表も掲示。
1950年、建築基準法が制定・施行。建築物の安全性を担保するための最低基準が整備されました。
そして1971年、建設省告示109号が施行。このタイミングで瓦の緊結が義務化されます。
瓦は「載せているだけ」ではなく、銅線や鉄線、くぎなどで1枚ごとに固定することが明確に定められました。
この法改正は、瓦屋根の耐震性を大きく前進させた転換点です。
1970年代には、全日本瓦工事業連盟、全国陶器瓦工業組合連合会が設立。
業界として安全性向上への取り組みを強化しました。
1981年の建築基準法改正では、新耐震基準が導入。必要耐力壁量の強化や構造設計の見直しが進みます。
さらに1995年に発生した「阪神淡路大震災」をきっかけとして、
2000年に制定された建築基準法改正で性能規定化が導入されます。
耐震実験を重ね、震度5以上でも倒壊しないレベルの水平面同時振動にも耐えることを実証してきました。
瓦屋根においても、構造安全性を構造計算で確認することが求められるようになりました。
つまり、現在の瓦屋根は、構造的な裏付けを持って設計される建材なのです。

背面左に掲げたのが、この新旧工法の違いを象徴する写真です。
手前には、地震によって崩れた旧来の工法で葺かれた瓦屋根。
奥には、現在の基準で施工された瓦屋根が崩されることなく佇んでいます。
かつて主流だった土葺き工法は、歴史ある一方、地震時の揺れに弱いという課題を抱えていました。
現在は緊結線や釘による固定、耐震基準に基づく構造設計など、施工方法が大きく進化しています。
しかし現在は、緊結線や釘による固定、耐震基準に基づく構造設計など、施工方法が大きく進化しています。
同じ瓦屋根であっても、工法が進化し、耐震性能は飛躍的に高まっているのです。
この写真は、その事実を一目で伝える展示となりました。

会場で特に関心を集めていたのが、瓦の断面構造を再現した模型展示です。
実際の施工構造をそのまま見せることで、「瓦は重ねて載せているだけ」という誤解を丁寧に解きました。
新旧の施工方法を比較できる構成とし、来場者自身が模型を回転させたり、固定部分を持ち上げたりできる体験型展示に。
銅線・鉄線・くぎなどで1枚ずつ固定されていることを明確に伝えられ、多くの来場者にとって新鮮に受け止められました。

今回の展示で力を入れたのは、瓦組合のスタッフが来場者一人ひとりに直接説明を行ったことです。
説明を受けながら模型をのぞき込む来場者の表情は真剣そのもの。
「瓦=災害に弱い」という先入観を持っていた方ほど、構造を知ることで驚きの表情を浮かべていました。
なかには、「瓦なのに防災、というのが正直意外でした」という感想を述べる方も。
そのようなイメージを抱いていた方に対して、
実際の断面構造の構造や、年表を用いて制度改正の背景や現在の基準を説明し、
実証データを交えて耐震性を解説することで、理解と納得につながる対話が生まれました。
構造の仕組みや実証データを具体的に伝えることで、理解と納得へとつなげていきます。

瓦は不燃性に優れ、耐久性が高く、適切な施工を行えば地震時にも性能を発揮する建材です。
しかし、その事実が十分に伝わっているとは言えません。
瓦は伝統の象徴であると同時に、進化を続ける防災建材でもあります。
私たちはこれからも、瓦の可能性を発信し続けてまいります。
